2013年11月29日金曜日

東京都の校庭芝生化「コスト縮減モデル検討委員」

 現在東京都教育委員会では公立小中学校の校庭芝生化を、学力向上や体力向上などなどと並ぶ重要施策の一つとして積極的に推進しようとしています。(参照:校庭の芝生化)このたびその一環として、校庭芝生化についての「コスト縮減モデル」検討委員会というものが立ち上げられることとなり、私もNPO法人ファングリーン代表としてそこに参加させて頂くこととなりました。






2008年に校庭全面芝生化した小金井第二小学校

委員会のメンバーには、私たちの活動のはじめからサポートを頂いている、オフィスショウの池田さんに、元ニチノー緑化で現在はチュウブグリーンの山田さ ん、公益財団法人都市緑化機構の一條さんと、その道のプロとして日本の校庭芝生化をサポートして来られた大御所の方々が名を連ねておられます。先週その第 一回の会合が都庁第2庁舎30階の会議室にて開かれました。

 私達は今のところ学校校庭の芝生化については関われておらず、またプロとしての知識や経験があるわけでもなく、そのような場に参加させて頂いたところでどれだけ貢献できるのか正直疑問だったのですが、都の担当者に率直に聞いてみましたところ次のようなご回答を頂きました。

い わく、プロの知見や経験は他の委員の方々が持っておられるが、ファングリーンは、芝生を使う子どもの親として、また地域の市民として、つまりプロや業者と は別の立場で、公園やグラウンドの芝生を作り支えて来た経験を持っておられる、また都内でほぼ唯一本格的にポット芝を使った低コストでの芝生化を行ってお られる団体である点にも注目している、そうした知見を是非この委員会に提供して頂き、東京の校庭芝生化推進に力を貸してほしい… と。なるほど、そこまで言われたら辞退するわけにはいきません。微力ながら出来る限りのご協力はさせて頂きますということで、委員のお話承ることになりま した。

そんなわけで第一回の委員会にのぞむことになったわけですが、会合冒頭の委員長挨拶から東京都教育委員会の「都内の公立学校は是非 とも全校芝生化したいのです!」という意気込みがひしひしと伝わってきます。東京都は本気で全校芝生化を進めるつもりです。しかし実際の自治体からはなか なか積極的な反応が返ってこない。一つの要因としては、つくるのはともかく、(各自治体にとって負担となる)維持管理にコストが掛かりすぎるということが 一つの高いハードルとなっているので、これを下げることを一つの切り口として、この委員会の所見を提示したい。出来れば校庭芝生化を検討する学校や自治体 の参照するマニュアルやチェックリストとなるようなアウトプットを残したい、とのことでした。なるほどなるほど。

この手の委員会というの は割と予定調和的に進むものかと思っていたのですがそんなことは全くなく、委員会では初回からプロの芝生技術者同士の丁々発止のやり取りが行われたり、な かなか聞けない行政サイドの本音や諸々の事情も聞けたりして、行政サイドもプロの芝生技術者さんも、この委員会の成果を本当によいものにしたい、その成果 を校庭芝生化推進につなげたいというホンキが感じられました。

そんな中に、プロの技術者でも行政担当者でもない私がどのようなスタンスで加わっていくべきか。

ここは一つ逆転の発想で、芝生素人の一市民という立場で、全く空気を読まないKY発言を遠慮せずしていこうと思います。
行 政組織の事情やプロの常識、業界のしがらみなどからオールフリーの立場を活かして、「なんでこうなの?どうしてこうできないの?こうすればいいんじゃない の?」という疑問を、どんどんぶつけて行こうと思います。他の委員の方からは呆れられることも多々あろうかと思いますが、10回に1回くらいの割合でも何 かしらの気づきにつながるような問題提起が出来れば、参加させて頂いた意義が見つかるのではないかと。

この委員会、来年3月末までに4回開催が予定され、来年度にも継続することを目指して調整中とのことです。都内の校庭芝生化の推進に少しでも役立つようなアウトプットが出来るよう、少しでもお役に立つことを目指して、座に加わらせて頂きたいと思います。


都庁30階会議室からの素晴らしい眺め。夕日を背景にした富士山。




2013年11月25日月曜日

初冬のむさしの市民公園


今週末のむさしの市民公園の様子です。例年の青空市後の様子と比べるとはるかに芝生の状態がいいです。ところどころ土が見えかけている部分もありますが、しっかりとティフトンの層が残っています。中心部分の冬芝ライグラスはだいぶすり切れていますが、ティフトン層にうずくまるようになりながらも、ちゃんと生きています。

この時期は気温も下がって冬芝もほとんど成長しないため、芝刈りをする必要もあまりないのですが、芝生周辺の落葉樹から落ちた枯れ葉がたまるた め、たまに芝刈り機を掃除機代わりにつかって落ち葉を取り払い、陽光が芝に届くようにしてやります。芝刈り機には、芝の刈りかすを吸い上げて車体後部の集草バッグに溜める機能がありますので、こういう状態で使うと掃除機代わりになるのです。




これが走行中の芝刈り機から見た景観です。芝刈り機左側は枯れ葉の吸い取り掃除済み、右側はこれからの部分です。


5分ほども走ると集草バッグはこの状態です。

枯れ葉がつもっていることによって保温性が高まったり、霜が直接芝に降りることを避けられるという利点もあるのですが、枯れ葉の下に石が転がっていると転 んだときに怪我のもとになりますし、つもった枯れ葉は意外にすべりやすいということもあります。なにより枯れ草を取り除いてやると見た目がすっき りして気持ちいいという、気分の問題もあったりして、たまにこうして掃除してやります。まあ、掃除したそばからハラハラと枯れ葉がつもっていくのですが。


掃除機かけ終わってすっきり、散水も終わってほどよくしっとり


掃除機を掛けてすっきりしたところから散水をしていくのですが、それが終わった部分では早速この公園を練習場とする少年サッカーチームFCハナロの低学年クラスの子達が練習を始めました。




実はこのチームは、ここ市民公園で毎年6月に行っているポット苗植え付け作業と、そのためのポット苗作りに、子ども達とコーチ、保護者さんが一緒に参加し てくれています。この小さなフットボーラー達はきっと知らないでしょうが、君たちの足下のふかふかの芝生は、君たちの先輩達が植えてくれた小さな苗が育っ たものなんですよ。実に素晴らしいですね。私の知る限り、武蔵野近辺の少年サッカーチームはたくさんありますが、これ以上の練習環境を持っているチームはそうないと思います(まあ広さは十分ではないし、表面はボコボコでイレギュラーすると思いますが…)。FCハナロのIコーチ、彼らに是非そのお話をし てあげて下さい。そして来年には是非また一緒に、苗の植え付けに参加して下さいね。



作業終了後、お隣武蔵野陸上競技場の芝生の様子も見てきました。こちらはこの通り、寒さにも負けず見事なグリーンを保っています。これまた素晴らしいです ね。ところどころ茶色に見えるところがありますが、土ではなくてティフトンの層です。その層にライグラスの芽がうずくまっていますので、今後シートによる 保温ケアをしっかりやってライグラスの成長を促進することで、さらに緑が濃くなっていくそうです。武蔵野陸上競技場は去年から業者が変わって、丸一年で見 違えるように状態がよくなりました。




再来週には武蔵野市内の少年サッカーチームの冬季大会決勝トーナメントがこの芝生で行われるそうです。うちの息子も去年・一昨年とこの大会に参加、ここでプレーさせてもらいましたが、今年はそのときよりもはるかに良い状態ですね。うらやましい!







2013年11月24日日曜日

快晴続き

先週は快晴が続きました。
土曜日に芝刈り(といっても落ち葉の集草)と散水をおこないました。
 
きょうは子どもたちから大人まで、たくさんサッカーをやっていました。
 

wos(ウインターオーバーシード)以降養生をしていないので、ライグラスはかなり擦り切れていますが、そこは、みんながいっぱい利用してくれているからと割り切りましょう。


でも、なるべくなら荷物は芝生の外にね。これで芝生が特別痛むということはありませんが、やっぱり「芝生外でいいことは芝生外で、芝生でなきゃいけないことは芝生で」ってことです。

芝生を長く、いい状態で使うコツです。


いっぽう、近くのスポーツ広場では武蔵野ラグビースクールが練習中。
砂ぼこりたってますねぇ。

転んだら痛いグラウンドで、下へのタックルなんて、いくら言ってもできるわけないし、こぼれたボールへの働きかけや体を投げ出してのセービングとか、ラグビーの醍醐味と言われるようなプレーは練習できません。

やっぱり、スポーツ広場は芝生にするべきでしょう。
すでに、大型の散水施設はあるので設備投資は少なくてすみますね。

利用している団体に働きかけて、交替で維持管理をするとか、いろんな方法があると思いますね。ファングリーンは協力するけど、やっぱり利用者が「芝生にしたい」って強く思わないとダメだな。

2013年11月17日日曜日

中央区月島幼稚園

9月に参加した鳥取でのイベントで、「中央区の月島幼稚園の園庭芝生化で、保護者が熱心にかかわっているよ」という情報を聞きつけました。

月島って、わたくし事務局の職場から近いんですよね。

先週、お昼休みに自転車で行ってきました。


芝生は300㎡くらいかな。
園庭の3分の2程度が芝生で、写真奥はアンツーカです。
オーバーシードしたライグラスがキレイです。

園児が遊んでいる様子は見られませんでしたが、幼稚園で芝生を体感した子どもや保護者は、きっと小学校でも芝生が必要と感じてくれると思うのですよね。

今度は、こちらの「芝生部」の方々とお話ししてみたいな。
もしこのブログをご覧になったらご連絡ください。遊びに行きます。

2013年11月15日金曜日

芝生の上での青空市(つづき)









もう一つ憂鬱の種だったのは、このお祭りイベントが市民公園の芝生化以前から行われていたこともあって、多くの車輛が出入りする会場設営・会場撤去作業時にお願いしている芝生に対する配慮がなかなか浸透しているように感じられないということでしたが、そうした点も少しずつ、でも着実に変わってきているようです。


 今回会場設営作業の際にその場におられた業者の方に話しを伺ったところ、作業にあたっては、

・芝生に入る際は極力ハンドルは切らず、まっすぐ入ってまっすぐ出るように。
・雨が降った後は芝生の中には車輛を入れないように。

という指導が市からなされているということでした。これも数年前は「一応言ってはいますが、なかなか聞いてもらえませんよ」と言われていたことですが、すこしずつ変わってきているようです。




 
話の中で「こういう点に注意すれば、芝生は大丈夫ですかね?」と訊かれたので、「もちろん芝生に車輛を入れないのがベストですけど、作業のために必要なときはしょうがないですから、なるべく気をつけてということでお願いします。それから、作業に必要な時以外は、なるべく芝生の外に駐車してくださいね。例えばこの2台のトラックとか(笑)」と指摘すると、「あ!すいません、うっかりしてまして!ホントすいません!」と、こちらが恐縮するぐらい謝られてしまいました。

私が市側に告げ口でもするのではと心配してるのかなとも思いましたが、でもひょっとして、この業者さんが「なるべくなら自分達の作業でこの芝生を傷つけることはしたくない、少なくとも最小限にしたい」と少しでも思っての言葉だったのだとしたら、それはそれは大きな変化です。嬉しいですね。



今までにも何度も「なんでこんな美しい芝生に平気で車を乗り入れられるんだろう」「なんでわざわざ車や荷物を芝生の上に置くんだろう。土の上に空きスペースがあるのに」と残念に思ったものですが、こういうのもきっと、悪気があったり、私達の活動や芝生がないがしろにされているということでは全くなくて、単に気がつかなかったり、意識にとまらないだけなのでしょうね。そもそも関心の対象が違うのです。気づいてもらうためにはこちらから伝えなければなりませんし、正しく伝えなければ、伝わるものも伝わらない。

私達の側からああして下さいこうして下さい、これはダメあれはダメと制限するのではなくて、こうした業者の方や出店者の方の方から自分達のイベントでこの芝生を傷めたくない、そのためにはどういう点に気をつければいいのだろうと考えてくれるようになったら、彼らはもう「芝生を傷めるかもしれない危険な利用者」ではなくて、一緒に芝生を育てていく仲間です。そうなるために、いつ何をどう伝えることができるのだろうかと、岩魚の塩焼きを齧りつつ考えた青空市でありました。

芝生の上での青空市






先週末にむさしの市民公園で開催されました、むさしの青空市の様子です。





 

武蔵野市内の様々な団体だけでなく、日本全国の友好市町村からそれぞれ自慢の名産品を持ち寄った出店が芝生の上に所狭しとならんでします。来場者も多く、あちこちの出店に行列ができていて、大盛況です。お昼時でしたので、私も猪汁に岩魚の塩焼きに牛ロースの串焼きなど食べ歩きしまして、大変美味しかったです。

 今回私ははじめてこのお祭りの開催日に足を運んだのですが、この公園の芝生を育て、少しでもよい状態で使ってもらえるよう日々活動している私たちの立場からは、正直このイベントは毎年この時期の憂鬱の種でした。

この公園がお祭り会場として使われて、私たちの育てる芝生がイベント来場者が快適に過ごせる環境として役立つことはとても喜ばしいことです。数万人規模の来場者があって、設営のためのトラックなども多数出入りしますので、どうしても芝生は相当に傷みますが、私たちのモットーは「使ってなんぼの芝生」ですから、お祭りの来場者が気持ちよく過ごしてくれる結果として芝生が傷むことはむしろ本望なのです(やや強がり入ってますけれどもw)


問題は、この時期からは気温が下がる一方で、夏芝はもちろん冬芝でも旺盛な成長が期待できないため、イベントによるダメージからの回復がまず望めないということです。そのため、このイベントでうけたダメージの回復が期待出来るのは翌年の春以降となり、12月~3月の間は例年かなり残念な状態の芝生となって しまいます。

出来れば開催時期を1ヶ月早められないものか、それが無理なら別の場所に会場移転出来ないものかと、市に相談したこともありましたが、今回このイベントに足を運んでみて、出店者の方々の熱意や、多種多様な出品物に行列を作って、各地の珍しい特産品を楽しそうに食べ歩きする来場 者の様子を目にして、ああこのお祭りはここでこのまま、これまで同様続けられていくのがいいのだ、という気持ちが沸き上がってきました。


以前は土の上で開催されていたこのお祭りが、現在は芝生のおかげではるかに快適な環境で開催できていること、このお祭りでどれだけ傷んだとしても、春には毎年復活させられて、来年のお祭りもまた快適な芝生の上で開催出来るということを、誇りに思ってもいいんじゃないかという気がしてきました。

少々残念なのは、以前はむき出しの土だったこの場所がふかふかの芝生に変わっているということ、様々な美味しい出品物を食べるにも、砂埃のたつ以前の状態よりもずっと快適になっているということに、おそらく出店者も来場者も大部分の方は気づいていないということですが、そこはまあ芝生は縁の下(というか足の下)の力持ちであることが宿命なわけですし、我々の広報活動による伸びしろとも言えるでしょう。
(つづく)






2013年11月10日日曜日

きょうはむさしの青空市

前回の投稿から3週間もあいてしまいました。このブログを楽しみにしてくださっている方々、ごめんなさい。
 
さて、きょうはむさしの市民公園の今年最後の大規模なおまつり「むさしの青空市」が開催されます。下の写真は昨日の準備の様子です。午前中だったのですが、すでにテントが立っていました。
 

いつも言うことなのですが、おまつりの来場客の踏圧って、この丈夫な芝生にとってはたいしたことないのです。同じ場所を繰り返し使えば痛むのは当然ですが、客の動線って言っても、一列になってゾロゾロ歩くわけではないので。


でも、やっぱり搬出入の車によるダメージってかなりあるんですよね。
なるべく車を入れないように、入ってもすぐに出てもらうように、お願いはしているんですけど。

さらにこのおまつりは時期が遅いので(全面芝生化前からのおまつりなのです)、ダメージを受けても回復できないで冬を迎えてしまうのが痛いです。けっきょくここでのダメージは春まで続いてしまうわけです。

去年はこんなこともありました。

ブログを見返してみると、去年も一昨年も天気悪かったのですね。
今年も、日中は温暖前線と寒冷前線の間の「暖域」にあたるため暖かいものの、夕方からは寒冷前線の通過によりかなり強い雨が予想されてます。
ぬれた芝生の上で片付けを焦ると、車が走り回って深いワダチがついて、ろくなことがないので、ぜひイベント業者の方には、あしたゆっくりと片付けをしていただくよう、お願いします。