「桜まつり後」の芝生としてはこれまでで一番良い状態 |
緑の島のように点在しているのが秋に播いた冬芝ライグラス その周りで地を這うように覆っているのが夏芝ティフトンです |
昨年の夏から秋にかけての夏芝ティフトンの生育状況がとても良かったため、休眠状態で一冬を越したあとにもしっかりとティフトンの層が残っています。そのおかげで秋に播いたライグラスも、一時はすり切れて見えなくなっていたものの、地中部分はしっかりと残っていて、春になって気温が上昇するにつれてちゃんと緑が復活しています。
さらに、今年の桜まつりでは設営業者さんが設営・撤去作業時の車輌の乗り入れをしっかりと制限してくれたおかげで、非常に良い状態が維持されています。桜まつり後の状態としては、これまでで一番良い状態です。
毎度おなじみのバイブロエアレーター。鉄のスパイクのついたローラーを地面に突き刺し、震動させながら土をほぐしていきます。
径は小さいですが、これだけの深さの穴が無数にあいています。これを芝生全面にかけることで、透水性、通気性が改善して、根も育ちやすい、ふかふかな地面を取り戻します。
凹部に土を入れて不陸の補修を行っています。
冬芝ペレニアルライグラスの種を蒔きます。今春はティフトンの状態がとてもよいので、冬芝の種は15~20g/㎡ほどと少なめにします。スプレッダーという道具を使って均一に播きます。
冬の間、休眠した夏芝を保護して緑の芝生を保つために、夏芝の上から、秋に冬芝の種を蒔いて育てることをウィンターオーバーシーディングといいますが、春のこの時期にももう一度播きます。スプリングオーバーシーディングとでもいいましょうか。冬の間にすり切れた冬芝を補い、夏芝が旺盛に育ち始める6月頃まで芝生を緑に保つのが目的です。
冬芝と呼ばれてはいますが、日本で一番よく育つのはこの4月から7月くらいの時期で、そのためこの春蒔きの冬芝を多く播けば播くほど、手っ取り早く美しい芝生が作れるのですが、実はこれが落とし穴で、あまり播きすぎると夏芝ティフトンの生育を阻んでしまいます。私達の経験上、公園や校庭、競技上の芝生の成否はいかに夏芝ティフトンの層を厚く丈夫に育てられるかにかかっています。ですので、ここは目先の美しさの追求はこらえて、蒔く種の量は少なめに抑えておきます。
種を蒔いたあとで、もう一度バイブロエアレーターをバイブレーションなしで転がし、その上でブラシを掛けて種を穴の中に落とし込みます。ここまで念入りにやるのは、鳩による食害をさけるためです。
フカフカなままでは公園としての使用に支障がありますので、ローラーを使って地面を転圧します。これで多少の不陸(凸凹)は修正出来ます。
種を蒔いたのと同じスプレッダーで肥料を散布します。
その後はタップリと、約1時間散水して作業終了です。
午前9時からはじめて午後3時終了となりました。
この後は、約1週間で発芽の予定です。発芽後のもっとも弱い時期のみ、1ヶ月弱ほど公園の約半分を柵で囲って養生する予定です。私達の方針では利用を制限する養生期間は極力設けないことにしているのですが、冬芝夏芝ともに回復を図らなければならないこの時期だけ、利用者の皆さんにはほんの少しの間利用を我慢してもらうことになります。これによって半年分の芝生の状態がぐっとよくなりますので、GW明けからよりよい状態での芝生を使えることを楽しみに、少々ご辛抱頂けますよう、ご理解をお願いいたします。
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