2012年9月30日日曜日

秋のオーバーシード作業を行いました

この週末は、毎年この時期恒例の、むさしの市民公園の芝生のエアレーション作業と冬芝の種まきを行いました。

2012年9月末のむさしの市民公園の芝生
ふかふかの緑のじゅうたんのようです
  
こちらが現在の市民公園の様子です。今年6月に植えたポット苗と、過去3年植えてきたポット苗とが存分に成長して、一面の芝生に育ちました。夏の太陽と十分な散水と施肥とでぐんぐんと成長し、頻繁に芝刈りを行う事で、横に伸びる匍匐茎(ほふくけい)同士がみっしりと絡み合った、厚手のじゅうたんのような層を形成しています。このくらいしっかりとした芝生ならば、思い切り走り回って、転げ回って使っても、びくともしません。フカフカの芝生が衝撃を吸収してくれますので、転んでもケガをする心配が大幅に軽減されます。

現在の芝生は、主にティフトンという、梅雨前後から初秋の暑い時期にとてもよく成長する芝種から成っているのですが、この芝種は気温が下がる晩秋から冬、春先までの間は休眠し、茶色く変色します。枯死してしまうわけではなく、また翌春以降気温が上がれば新しく芽吹き復活するのですが、この冬枯れの時期にはその旺盛な成長も止まってしまいます。成長が止まると言うことは、踏まれてダメージを受ければそこは回復しないということです。また、地表部分がすり切れて、地中の茎や根の部分まで削られてしまえば、そこは来年の春以降の復活も期待出来なくなります。

この、ティフトンの回復力が失われてしまう時機、これをカバーするために、比較的低い気温でも成長し、冬でも比較的緑を保つ種類の芝草の種を播き、ティフトンの層の上に冬芝を成長させる手法が、オーバーシードです。むさしの市民公園では、秋と春の年2回、固く踏み固められた土に穴をあけてほぐす、エアレーション作業と同時に行っています。

かつて、むさしの市民公園の芝生が300㎡くらいの小さいものだった頃には、人手で農業用フォークなどを使って穴を開けていましたが、1600㎡ともなるとさすがに無理があります。ですので、バイブロエアレーターという特殊な作業車輌を使っての作業を、スポーツターフの専門業者、お隣の武蔵野陸上競技場のグリーンキーパーをしておられる、(株)栗芝さんにお願いしています。


この、いかにも痛そうな杭というか針を地面に刺しながら揺り動かして、地面に穴を開けつつほぐします。これにより土壌の通気性・透水性を良くし、芝の根が地中に入りやすくなります。さらに、この後まいた種が穴に落ちることで、鳩に食べられにくくなるという効果もあります。

バイブロエアレーターであけられた無数の穴 

エアレーションの後は種まきです。これがペレニアルライグラスの種、お米のもみ殻のように軽い粒です。これをスプレッダーという器具を用いて、均等に1㎡あたり40gほど播きます。さらに種を芝生の奥にある地面まで落とし発芽しやすく鳩に食べられにくくするために、芝生全面にブラシをかけます。



肥料を撒き、たっぷりと散水して作業終了です。お疲れ様でした。
栗芝の皆さん、ありがとうございました。ファングリーンサポートメンバーの皆さん、お疲れ様でした。



さて、この翌日、台風17号が本州上陸、現在武蔵野市も激しい風が吹き荒れています。今回の台風は、雨よりも風の強さが特徴のようですが、それでもかなりの雨が降っています。せっかく播いた種が流されてしまわないといいのですが….。

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