2010年1月20日水曜日

初春のむさしの市民公園


2010年1月16日(日)のむさしの市民公園の様子です。

ケヤキの葉もすっかり落ちきってしまったようで、芝生の上の枯葉も以前ほど目立たなくなりました。

昨年7月にポット芝で芝生化した北側半分と、2007年より芝生化しある程度芝生が根付いていた南側半分とで、はっきりと状態が違うのがわかります。南半分では、秋に種を蒔いて生育させた冬芝ライグラスがそこそこ残っているのに対し、北半分のものはほとんどが消えてしまっています。




ちなみに、ライグラスが生えそろった10月頃にはこのように、北側も南側もそれほどの違いは感じられない、一面緑の状態でした。

この違いは、ライグラスの下地となる、ティフトン層の厚さの違いによるものと考えられます。芝生化3年目の南側半分は、一度ティフトンが生育し、はげてしまった部分や生育の弱い部分に後からポット苗を植え付け補修する作業をすでに数回行っています。そのため、全体的にティフトンの匍匐茎同士が重なり合って、十分に厚い層を形成しています。一方昨年7月にはじめてポット苗を植えつけた北側半分は、一旦はティフトンが覆ったものの、まだ十分な厚みを持った層を形成するには至っていません。


左上が今年で3年目の南側半分。左下が今年の7月にティフトンの苗を植えつけた北半分です。ライグラスの残り方にはっきりと違いが出ています。




播いたライグラスの種は全く同じ量で、散水や施肥の内容もほぼ同じ、利用条件もほぼ同じで、日照条件は北側半分の方がいいくらいなのですが、クッションとなるティフトンの状態の違いで、このような差が出てしまいます。

夏芝ティフトンの芝生をしっかりと成長させることで、秋以降その上に種を蒔き成長させる冬芝ライグラスの「踏まれることに対する強さ」が違ってきます。成長の仕方には差がないのですが、気温が下がって成長が衰えてからの踏まれ強さに大きな差が出てくるようです。さらに、ライグラスが保たれることで、下地であるティフトンも保護されるという、好循環が生まれます。

冬芝は見た目の緑も鮮やかで、感触も柔らかで、何よりティフトンのポット苗を植えつけるのに比べて「種を蒔くのが楽」という利点があるます。そのため、ついついそれに頼ってしまいたくなるのですが、やはりベースとなるティフトンをしっかりと成長させること、これが大事なのだなと改めて感じた初春の一日でした。

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