2011年3月16日水曜日

未曾有の大震災にあたって

3月11日の地震発生から5日が経過しましたが、未だに安心とはほど遠い状況にあります。連日、余震なのか「別の大地震」なのかよく分からない地震が続き、福島の原発の状況には本当に不安をかき立てられます。

私たち都内在住の人間も、一時的な計画停電や、食料やガソリンといった生活必需品の不足、交通の混乱といった不便はありますが、それでも被災地の方々に比べればはるかに恵まれています。家族と一緒に居られること、食べるもの飲むものがあること、入浴できること、静かで暖かい環境で眠れること、こうしたそれまで当たり前だった生活を送れることの幸福に心から感謝すると同時に、彼の地で、こうした生活が突然奪われた人々が、一日も早く平穏安心な暮らしを取り戻されることを、心より祈念いたします。

被災地の人々の不安とご苦労とは比べものになりませんが、今回私自身が置かれた状況で強く感じた事の一つに、「地域の絆の大切さ」があります。

都内の交通機関が全面ストップしたあの日、私自身はじめて、都心の勤務地から自宅まで徒歩で帰宅するという経験をしました。二人の子どものうち、下の娘を預かってもらっている保育園とは連絡がとれ、翌朝まででも保護してくれるということで安心しましたが、小学4年生の息子の消息がつかめません。学校と連絡をとると「防災頭巾をかぶらせて帰宅させました(!)」とのことでしたが、自宅にも近隣の心当たりのお宅にも居らず、安否がわかりません。

不安に駆られながら約5時間かけてたどり着くと、学童つながりで親同士もおつきあいのあった地域の知人宅に保護して頂いているとの置き手紙が、自宅と娘の保育園との両方に残してありました。「あそこの家は子ども一人で残されているはず」と自宅まで様子を見に来てくれて、そのまま保護して温かい食事と居場所を提供してくれた「地域の絆」に心から感謝すると当時に、こうした日頃からの地域づきあいの大切さを改めて痛感しました。

芝生を通じて子ども達の健全育成や地域活性化を図る私たちのNPOが、今回の被災地の方々のために出来ることはほとんどないかもしれません。でもそのような「地域の絆」のきっかけづくりには、多少ともお役に立てるのではないかと自負しています。また、公園やグラウンドが避難場所となったときに、土のグラウンドよりも芝生の方がはるかにストレスの少ない環境になる、ということも言えると思います。

今この時、大変な苦難の下に置かれた人々のことを思うと、このようなことを思うのは不謹慎のような気もしますが、私たちファングリーンの活動を「防災」という切り口から見ると、そんな意味もありうるのかなと考えてみました。

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