2010年11月18日木曜日

まんべんなく使うこと

ラグビートップリーグの某チームの練習グラウンドの芝生を見学させて頂きました。

グランドキーパーが「シーズン中ですから、それなりに痛んでいますよ」とおっしゃっていましたが、その通りで、全体が“まんべんなく”痛んでいます。
じつはこの“まんべんなく”痛むってことはとても芝生にとって重要なことです。つまりは、“まんべんなく”使われているってことから来る結果ですから。
     
じつは以前、下部リーグ(トップイースト)に所属するチームの練習グラウンドを見学する機会があったのですが、芝生の痛み方(つまり練習に使う芝生の場所)に偏りがあったのです。痛んでいるところはハゲハゲなのに、青々としたところもたくさん残っていました。なんでそんなことになると思いますか?
    
たとえば、ゴール前5mスクラムの練習は、(気合いが入らないので、という理由からか)どうしてもホントのゴール前5mでやりたくなるものです。さらには、ロッカールームに近い(グラウンド入り口に近い)ゴールライン付近を選びがちなのです。このキモチは、ラグビー経験者の私としてはよくわかります。

ラインアウトの練習でも、(タッチラインはグラウンドの両側にあるのに)メインスタンドに近い方のタッチラインを選んで、しかも10mラインや22mラインをはさんでおこなうことが多いのです。

上記2つの例では、片方のゴールライン前と10m・22mライン付近の芝生がどうしても荒れてハゲてきます。
    
別に、センターラインをゴールラインに見立ててスクラムの練習をしてもよいわけですし、たまにはグランドの遠い方でラインアウトの練習をしてもよいのです。こうして、グラウンドをまんべんなく使えば、芝生もまんべんなく痛んで(つまりは全体としてみれば痛みが少なくて)、長期間快適な状況で使えるのですよね。

さすが強豪チームはそんなふうに、まんべんなく芝生を使っているのだなぁと想像しました。結果として芝生を大事にしていることになるわけですね。
   
このことは校庭芝生化や公園の芝生化でも同様のことが言えます。
校庭だと、校舎に近い中央部分が痛みます。朝礼台の前あたりですね。体育の授業や朝礼は、このあたりを使っておこなわれることが多いからです。たまには、校舎から遠い方に集合してもよいと思うのですが、習慣とは恐ろしいもので、児童も先生も朝礼台の前につい集合して(させて)しまうのです。
      
これからの時期は、いずこの芝生も成育が鈍くなり、痛みが激しくなります。ぜひ“芝生のいいところ”を選んで使って下さい。いったん引かれたラインに気を取られて、そのラインばかりを使ってドッチボールをやるのではなくて、いろんなところで遊んで下さいね。

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